シックハウス症候群
シックハウス症候群はシックビル症候群から転じた和製英語であるが、医学的に確立された疾病概念ではなく、現在でも議論の多い健康問題である。
建物内に居住することに由来するさまざまな体調不良の総称として便宜的に用いられ、室内環境における化学物質だけでなくダ二や真菌などの生物に暴露して生じる健康障害を総称している。したがって、化学物質の影響だけでなく気管支喘息や皮膚炎などのアレルギーも含まれる。
一方、狭義のシックハウス症候群は、建材や内装材などから放散するホルムアルデヒドおよびトルエンをはじめとする揮発性有機化合物の吸入暴露による健康影響をさしています。
シックビル症候群と同様、眼や粘膜刺激症状と非特異的症状が見られる。眼に刺激感がありチカチカする、鼻水や涙、せきがでる、鼻や喉が乾燥したり、刺激感や痛みがある、皮膚が乾燥したりあかくなったり、痒くなる、頭痛やめまい、吐き気がする、なんとなく疲れを感じたり、集中力が低下し、眠気がある、など訴えやすい
シックハウス症候群の発生要因
伝統的な日本の家屋は、木造で、ふすまや障子、土壁で部屋が仕切られ、床には畳が敷かれており、床下も天井も通気のよい構造で、高温多湿な気候に適している。しかし、現代の家は壁面にコンクリートや合板を使用し、床にはフロー他覚リングや断熱材、窓枠にはアルミサッシをはめた構造になっている。そのため、断熱性が高く、省エネルギーの観点からは好都合であるが、通気性が悪く、湿気や建材から放出した化学物質が屋内にたまりやすく、真菌やダ二も増殖しやすい環境をつくっている。このような要因により、
アレルギー症状、皮膚粘膜の刺激症状、化学暴露により健康障害の発生が社会問題化した。
シックハウス症候群と化学物質過敏症の相違点
化学物質過敏症は原因物質を示した疾患名であるのに対し、シックハウス症候群は発生場所を示した名称である。化学物質過敏症の原因は化学物質に限定され、ダ二や真菌などの生物的要因で発生したのものは含まない。広義のシックハウス症候群には生物的要因が含まれる。また、シックハウス症候群が問題となる室内を離れると症状が軽快するのに対して、化学物質過敏症ではいろいろなにおいに誘発されて、多臓器症状を呈し、経過が慢性であるところが異なる。
両疾患とも症状の有無や程度には個人差があり、同一環境でも強い症状を訴える人がいる一方、全く平気な人もいる。現時点ではどのような体質の人がなどが症状を訴えやすいか解明されていないが、アレルギー体質の人などが症状を訴えやすいといわれている。また、化学物質を解毒する酵素活性の遺伝子学的検討も進んでいるが、今後解明されるべき問題である。
